M&Aにおける買い手・売り手それぞれのメリットとデメリット

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M&Aにおける買い手・売り手それぞれのメリットとデメリット

M&Aは、企業の成長戦略や事業再編の手段として広く活用されています。

しかし一口にM&Aといっても、買い手と売り手の立場によって得られるメリットや抱えるリスクは大きく異なります。

今回は、買い手と売り手双方の視点からM&Aのメリット・デメリットを見ていきましょう。

買い手側のメリット

まずは、買い手側のメリットを確認します。

 

  • 事業拡大・シナジー効果
  • 人材・知的財産の獲得
  • 海外展開の足がかり

 

M&Aの最大の魅力は、既存事業の拡大とシナジー効果の獲得です。

新たに市場へ参入する際、ゼロから事業を立ち上げるよりも、顧客基盤やノウハウを持つ企業を買収したほうがコストを大幅に削減できます。

さらに現地法人や販売網を持つ企業を買収すれば、法規制や文化の壁を乗り越えるための時間を短縮でき、比較的スムーズに海外市場に参入できます。

買い手側のデメリット

一方で、買い手側のデメリットは以下のとおりです。

 

  • 統合コスト
  • 法的・会計上のリスク
  • 買収価格の高騰

 

M&Aを実施する過程では、システムの統合や組織文化の違い、従業員のモチベーション低下など想定以上のコストが発生する場合も少なくありません。

買収対象企業が過去に法令違反をしていたり、潜在的な債務を抱えていたりするケースもあります。

売り手側のメリット

売り手側のメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

 

  • 事業承継の実現
  • 創業者利益(イグジット)の確保
  • 企業の更なる成長

 

中小企業の経営者にとって、後継者問題は大きな悩みです。

M&Aを活用すれば、親族や社内に承継者がいない場合でも、外部の企業に事業を引き継ぐことができます。

それから経営者が長年築いた事業を売却して、多額の売却益を得られる場合があるのも大きな魅力です。

得られた資金は、新たな事業に投資したり、個人の資産形成に充てたりできます。

売り手側のデメリット

一方で、以下のようなデメリットもあります。

 

  • 経営の独立性喪失
  • 従業員や取引先への影響
  • 情報開示の負担

 

M&A後は経営権が移転するため、創業者や現経営陣が意思決定に関与できなくなる場合があります。

人員整理や取引条件の変更、情報開示など、リスクもいくつかあるため注意が必要です。

まとめ

M&Aは契約交渉やデューデリジェンスといった法的手続きを伴うため、専門家の関与が欠かせません。

買い手にとっては法務・財務リスクの洗い出し、売り手にとっては適正な条件での契約締結につながります。

M&Aを検討する際は、早い段階から弁護士や専門家に相談しましょう。

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