権利・契約・トラブル対応・関係法律・海外取引
書籍等の出版物やゲーム等のエンターテイメントコンテンツをめぐり、著作権に関するトラブルが発生するケースは少なくありません。
本記事では、著作物の利用にあたっての注意点や、著作物の利用許諾を得る場合おいて留意すべき点について解説していきます。
著作権とは
著作権とは、「著作物」を作成した者に与えられる、自分の創作物を無断でコピーされたり、無断で掲載されない権利のことをいいます。
著作物の種類については、著作権法第10条第1項に列挙されており、具体的な著作物の例としては、小説、楽曲、絵画、地図、コンピュータープログラムなど様々なものが挙げられます。
(著作物の例示)
第十条 この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
一 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
二 音楽の著作物
三 舞踊又は無言劇の著作物
四 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
五 建築の著作物
六 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
七 映画の著作物
八 写真の著作物
九 プログラムの著作物
著作権の無断利用について
著作権者の許諾を得ずに著作物を利用したり、著作者に無断で著作物の内容を改変すると著作権侵害や著作者人格権侵害に当たる可能性があり、著作権を侵害したものに対しては損害賠償義務や、刑事上の罰則が課されることになります。
例えば、2022年には、映画を10分程度に短縮したり、字幕を付したりして編集した「ファスト映画」のアップロードを行ったものが、著作権侵害を理由に逮捕されました。
また、その翌年には、開発者の許可を得ずにいわゆる「ゲーム実況」の配信を行い広告収益を上げた者が著作権法違反を理由に逮捕されました。
さらに、著作物の模倣品・海賊版に関する問題は世界各国で問題視されており、わが国でも、模倣品・海賊版の海外取引を未然に防ぐために、輸出・通貨を取り締まる制度の整備が進んでいます。
著作権の利用方法
著作物を利用するためには、著作権者の許諾を得ることが必要となりますが、実務上は著作物の利用に関する契約を締結するケースが一般的です。
著作物を利用するための契約としては、著作物の利用について許諾を得る「利用許諾契約」と、著作権そのものの譲渡を受ける契約「著作権譲渡契約」の2つに大別することができます。
「利用許諾契約」は一般的に「ライセンス契約」と呼ばれており、契約において定められた方法条件の範囲内であれば、許諾された著作物を利用することができるというものです。
ライセンス契約においては、①そもそも許諾者に著作権があるか②当該著作物が第三者に利用許諾できる状態かといった点に関し事実確認をしたうえで契約書面に記載することが重要となります。
これに対し、「著作権譲渡契約」とは、著作権そのものを譲渡する契約となります。
なお著作権譲渡契約を締結したとしても、公表権・氏名表示権・同一性保持権といった権利は、著作者に一身専属的に帰属するものであるため譲渡することができません。
そのため契約書において、譲渡人が同一性保持権を行使することができない旨を規定しておくことが必要となります。
知的財産に関するご相談は森下法律事務所にお問い合わせください
森下法律事務所では、著作物の利用に関する相談に加え、著作物をめぐるトラブル対応等も承っております。
お悩みの方はぜひいちどご相談いただければと存じます。
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