倒産に伴う法人破産民事再生の手続き

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倒産に伴う法人破産民事再生の手続き

会社の経営に行き詰まった場合、会社の破産や民事再生の手続きを検討される方も多いかと存じます。

本記事では、破産や民事再生の手続きの流れや、メリット・デメリットについて解説していきます。

法人破産について

会社が行う破産手続きのことを法人破産といいます。

以下、法人破産の内容や要件、メリット・デメリットについて解説します。

 

●法人破産とは

法人破産とは、支払不能の状態となり、経営が困難になった会社が裁判所に対して申立てを行い、会社の債務を清算する手続きのことをいいます。

法人破産手続きにおいては、破産手続き開始決定時における会社の財産はすべて換価され、債権者に平等に分配されることになり、破産手続き終了後に会社は消滅することとなります。

 

●法人破産のメリットについて

法人破産の1番大きなメリットとしては、会社が抱えている債務を全て清算することができるということが挙げられます。

法人破産の手続きが完了すれば、会社は消滅することになりますので、債務弁済の負担から免れることができます。

また、法人破産の手続きを弁護士に依頼した場合、案件を辞任した段階で弁護士から「受任通知」が各債権者に対して送付されることになります。

そして、この受任通知が債権者により受領された段階で、取り立て行為や返済督促を行うことが禁止されますので、経営者にとっては、精神的負担から解放されるというメリットも存在します。

 

●法人破産のデメリットについて

上述のように法人破産手続き完了後に会社の法人格は消滅してしまいますので、会社としての事業を継続することができません。

したがって、事業の継続を検討している場合には、法人破産以外の手続きを選択する必要があります。

また、会社の代表者が法人の債務を連帯保証している場合においては、法人破産の申し立てと併せて代表者についても破産申立てが行うことが必要となります。

免責決定を得ることにより、代表者個人は連帯補償債務から免れることができますが、マイホームなど個人の資産を売却しなければなりません。

 

破産には上記のようなメリット・デメリットが存在するため、①債権者への支払いを滞納しており、今後も支払いの見込みがないような場合や②将来的に経営状態の改善が見込めない場合に利用を検討するのが望ましいといえます。

民事再生について

民事再生とは、会社を存続させつつ債務の額を大幅にカットし、会社経営を目指す手続きであり、民事再生法という法律に基づいて行われます。

 

●再生計画案の型について

民事再生の手続きの中では、会社債権者の有する債権額を調査する債権調査や、会社財産の額を評価する財産評価を経たうえで、債務カット後の債務弁済計画を定める「再生計画案」が作成されることになりますが、再生計画案には以下の3つの種類が存在します。

 

・自力再建型

債務の圧縮により企業価値を取り戻した会社が、本業により収益を取り戻し、自力で再建を図るパターンです。

民事再生法等の関係法規上は、この自力再建型が原則となります。

 

・スポンサー型

経営難に陥っている会社においては、企業経営のあり方自体を大きく変革しなければならないケースも多いです。

近年、再建を図るにあたっては、他の企業による直接的な経済支援を受けつつ、当該企業の提供した資金により再生計画を実施するスポンサー型の再生計画によって民事再生が申し立てられるケースも多く見られます。

 

・清算型

営業譲渡などの手法により、営業の一部または全部を、他の会社に移したうえで、旧会社は清算する方法をいいます。

事業自体は譲渡先の会社にて継続することが可能であり、事業自体に価値がある場合に破産に代えて選択されるケースが多いです。

 

●民事再生のメリットについて

民事再生の大きなメリットとしては、事業を継続しながら債務の額を圧縮できることが挙げられます。

破産とは異なり、債務を全額カットすることはできないものの、企業の存続を望む経営者にとっては、現経営の続任が認められることのメリットは大きいと言えます。

 

●民事再生のデメリットについて

民事再生の申し立てを行うと、法的倒産処理を開始したことが公になり、社会的信用が低下するおそれがあります。

特に融資については、民事再生の事実がいわゆるブラックリストに掲載されるため、少なくとも5年間は借り入れを行うことができなくなる可能性が高いです。

また民事再生手続において、担保権が設定された債権を有した債権者については、手続外で担保権を実行することができますので、担保権の実行により対象財産が流出してしまうというデメリットも存在します。

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