不当解雇の訴外交渉と法的手続き
⬛︎解雇の条件
雇用期間中の解雇については、労働契約法16条で厳しい制限が課せられています。使用者は、客観的に合理的な理由を有し、社会通念上相当な場合でなければ、労働者を解雇することはできません。
判例上、これらの要件は厳格に解釈されており、些細なミスや能力不足、私生活上のトラブルなど、解雇以外の方法によって解決できるような問題を理由とした解雇が認められる余地はほとんどありません。労働契約法16条に違反した不当解雇は、解雇権の濫用として無効になります。
⬛︎訴訟外の交渉
不当解雇をされた場合は、会社と交渉して、職場復帰を要求していくことになります。交渉の方法は大別して裁判で訴える方法とそれ以外の方法に分類できます。前者は、判決が出るまで時間がかかるため、それ以外の方法が頻繁に用いられます。
⬛︎示談
法的な手続きによらず、使用者と交渉する方法です。ここで、使用者に解雇の撤回を認めさせることができれば、職場復帰をすることができます。また、職場復帰できなくても賃金に代る金銭の支払いを認めさせることで和解することもありえます。成功すれば、最も時間とお金を節約できる方法ですが、労働組合による団体交渉と異なり、強制的に交渉のテーブルにつかせることができないため、困難が伴います。
⬛︎労働審判
労働審判は、労働紛争を迅速に解決するために設けられた制度です。最大3回の審理において、労働者と使用者が主張と証拠の提示を行います。それを受けて、労働問題の専門家で構成された労働審判委員が、調停の斡旋や審判を行います。調停や審判は、判決と同じ効果を有します。不当解雇の場合は、労働者の地位にあることの確認を求めて、解雇に理由がないことを主張していくことになります。
⬛︎地位保全・賃金仮払いの仮処分・
仮処分とは、裁判に先立って、原告が主張する利益の逸失を防止するため、裁判所が、被告に対して必要な措置をとることを命令する制度です。不当解雇を争う場合は、使用者に対して労働者として扱うように求める仮処分を申し立てることになります。これを地位保全の仮処分といいます。また、不当解雇によって労働できなかった期間の賃金支払いを求める仮処分を賃金仮払いに仮処分といいます。
仮処分命令は、数日から数週間で結論が下され、認められた場合は事実上判決と同様の効果を得ることができるため、よく用いられます。
仮処分は、本来的には、裁判の準備を目的とした制度ですが、仮処分を申し立てたからといって、後に必ず裁判を起こさなければならないわけではありません。
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