強制執行と差押えの種類

債務者が借金をして返済をしない時や家賃を払わない時などに、債権者が裁判所に申立てをして強制的に債権を回収する手続きを、強制執行といいます。債権者が債務者の滞納した借金などを回収するために、債務者の財産は裁判所に差し押さえられます。
強制執行とは、裁判で勝ったのに債務者がお金を支払わない場合などに利用される、最後の手段だといえます。

強制執行は、差し押さえる対象物によって、債権執行、不動産執行、動産執行の3種類に分けられます。

■債権執行
債務者の持っている債権を差し押さえる手続きのことをいいます。

債権者は、債務者に代わって、債務者の持つ債権の債務者（第三債務者）から弁済を受けることになります。
債務者が持つ債権は、個人であれば給与債権や預金債権が一般的です。
法人同士の債権執行では、取引先が所有する売掛金債権や貸付金債権を差し押さえることになります。

■不動産執行
債務者が所有している不動産を売却して、その売却金から債権を回収する手続きのことをいいます。

債務者の土地や建物という不動産を差し押さえて競売手続きで強制的に売却し、その売却代金から債権を回収します。債務者が個人であれば自宅の土地や建物を対象とし、法人であれば自社ビルなどを対象とすることが考えられます。

■動産執行
債務者が所有している動産を売却して、その売却金から債権を回収する手続きのことをいいます。

動産は一般的には価値が低いため、十分に債権を回収することは難しいですが、骨董品や宝石、貴金属などが自宅にあることがわかっていれば、動産執行をすることが考えられます。
法人が債務者であれば、在庫や機械類について動産執行することがあります。

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