就業規則の不利益変更をする場合の手順と注意点
就業規則は、賃金や労働時間、手当などの労働条件を定める基本的な規程です。
企業を取り巻く経営環境の変化により、内容の見直しが必要となる場面もあります。
ただし、労働者に不利となる変更には法的制限があり、慎重な対応が求められます。
本記事では、就業規則の不利益変更を行う場合の手順や注意点を解説します。
就業規則の不利益変更とは何か
就業規則の不利益変更とは、賃金の減額や手当の廃止、労働条件の引下げなど、労働者にとって不利な内容へ変更することです。
労働条件は、原則として労働者と使用者の合意によって決定されます。
そのため、使用者が一方的に労働条件を引き下げることは原則として許されません。
ただし、就業規則の改定によって労働条件を変更する場合には、一定の要件を満たすことで個別の同意がなくても効力が認められることがあります。
就業規則変更の要件は、その内容が合理的であり、かつ労働者に周知されていることです。
実務では、個別同意を取得する方法よりも、就業規則の変更によって全体的に労働条件を改定する方法が選択されることが少なくありません。
就業規則を不利益変更する場合の手順
就業規則を変更する際には、法令に基づく手続を踏む必要があります。
まず、変更の必要性や内容を整理し、どの程度の不利益が生じるのかを検討します。
次に、労働者の代表者から意見を聴取します。
この意見聴取は労働基準法上の手続であり、同意を得ることまでは求められていません。
その後、変更後の就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署へ届け出ます。
さらに、変更内容を労働者に周知します。
掲示や書面交付、イントラネットへの掲載など、労働者が内容を確認できる状態にすることが必要です。
周知がなされていない場合には、変更の効力が否定されることもありますので注意しましょう。
就業規則の不利益変更を行う際の注意点
不利益変更を有効とするためには、変更内容に合理性が認められることが必要です。
合理性は、以下を踏まえ総合的に判断されます。
- 労働者が受ける不利益の程度
- 変更の必要性
- 代替措置の有無
- 労働組合や代表者との協議状況
経営上の理由だけでは合理的といえず、就業規則の変更内容が社会通念上相当といえるかが焦点となります。
十分な説明や協議を尽くさないまま変更を実施した場合、合理性が否定されるおそれがあります。
合理性が認められなければ、不利益変更は無効となり、従前の労働条件が適用される点に留意する必要があります。
まとめ
今回は就業規則の不利益変更について解説しました。
就業規則の不利益変更は、労働者に不利な労働条件の変更であり、原則として合意が必要です。
対応に不安がある場合は、労務に詳しい弁護士へ相談することを検討するとよいでしょう。
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